狭小地での新しい挑戦:エコと愛車のある暮らしを両立
都市部での住まい探しは、広さの制約が大きな課題となることがあります。しかし、そんな限られた敷地でも、快適な暮らしと高い省エネ性能、そして愛車との生活を両立させることは可能です。今回ご紹介するのは、東京都大田区のわずか16坪という敷地に建てられた、都市型3階建てZEH(ゼロエネルギー住宅)の設計実例です。
暮らしやすさと省エネ性能を両立したデザイン
この住宅は、2023年に竣工しました。木造軸組工法(日本の伝統的な木造建築で、柱と梁で骨組みを作る工法)を採用し、ZEH(使うエネルギーと創るエネルギーを差し引きゼロにする住宅)、低炭素住宅(二酸化炭素の排出を抑える工夫がされた住宅)、BELS認証(星5つ)(建築物省エネルギー性能表示制度で、星5つは最高ランクの省エネ性能を示します)、耐震等級3(極めて稀に発生する大地震でも倒壊・崩壊しないレベルの耐震性)という高い性能を備えています。建築面積は38.11㎡(約11.52坪)とコンパクトながら、随所に工夫が凝らされています。

個性が光る外観と安心の玄関
外観は、モノトーンの塗り壁に天然木パネルを組み合わせた個性的なデザインです。世界的なシェアを誇る高品質な塗り壁材「sto」を採用することで、目地のない美しい仕上がりと優れたメンテナンス性を実現しています。アクセントには、経年変化が楽しめる天然木パネル「ウィルウォール」を使用。オーナーのリクエストに応え、愛車を雨風から守るビルトインガレージも確保しました。

玄関スペースは外壁よりも内側に設けられており、雨の日でも安心して出入りできる設計です。耐力壁の一部を収納として活用し、造作の吊り戸棚や傘を掛けられるフックも備え付けられています。

開放感と機能性を兼ね備えたエントランス
玄関ドアを開けると、抜け感と実用性を両立したエントランスが広がります。2階へ続くスリット階段(蹴込み板をなくし、光や風が通り抜ける階段)は、側面をアイアンで吊ることで、視覚的な広がりと光・風が抜ける心地よさを生み出しています。造作のシューズボックスや可動棚を備えたクローゼットも設計され、すっきりとした暮らしをサポートします。

モダンな和室と充実のサニタリー
エントランスの奥には、WIC(ウォークインクローゼット:人が中に入って衣類を選んだり着替えたりできる広さの収納スペース)を備えたモダンな和室が配置されています。フチの無い目積畳(めせきだたみ)を選び、収納扉や窓の配置にもこだわり、シンプルで洗練された空間に仕上げました。

1階廊下には独立型の洗面スペースがあり、家族だけでなくゲストも利用できます。お好みのボウルや水栓金具、タイルを組み合わせた造作洗面台は、毎日使うたびに愛着が湧くデザインです。トイレもコンパクトながら無駄なくレイアウトされ、造作棚など使い勝手にも配慮されています。
洗面脱衣室にも造作の洗面台が設けられ、個性的な空間を演出。壁の一部をニッチスペース(壁の窪みを利用した飾り棚や収納)として活用し、収納力も確保しています。洗面台の裏側はキッチンスペースとなっており、冷蔵庫を収めるために洗面台を手前に配置する工夫も。さらに、洗濯乾燥機「乾太くん」(ガス衣類乾燥機の商品名で、短時間で洗濯物を乾燥できる優れもの)がぴったり収まるよう設計されており、すべての機能を諦めずにすっきりとした空間を実現しています。ユニットバスはシンプルなモノトーンカラーで統一されています。

光と収納にこだわったLDK
キッチンは、天窓(トップライト)を備えることで、奥様の希望通り明るい空間に。面材やレンジフード、壁、天井を「白」で統一し、光が反射してキッチン全体がより明るくなるよう工夫されています。

ダイニングの一角には、パントリー(食品や飲料、調理器具などを収納するスペース)代わりとなる大容量の収納スペースを設計。調理家電や食器、食材ストックなどをまとめて収納できます。透過性のあるクローゼットドアからは光も採り入れられます。天井は梁を見せる仕上げにすることで、空間を高く感じさせる工夫も。床にはオークの無垢材(天然木の一枚板から作られた床材)が採用され、北欧風のインテリアでコーディネートされています。

ダイニング近くのフロアコンセントは、無垢床の一部を加工したオリジナル仕様。普段使わない時はフラットな状態を保ち、インテリアの邪魔をしません。

出窓にベンチを組み合わせたヌックスペース(居心地の良い小さな空間)は、オーナーのリクエストで実現しました。休日に外の景色を眺めたり、リビングの一部として人が集まる空間としても活用できます。

TVボードの裏側には、1畳ほどのコンパクトなワークスペースを造作。カウンターと可動式の棚を備え、リモートワークや自習室として家族みんなで使えるユーティリティスペースです。TVボード上部には間接照明と植栽が収まるポケットがデザインされています。

LDKはオークの無垢材を床に採用した北欧風のインテリアで統一されています。LDKを中心にキッチン、洗面脱衣室、小上がり和室など各スペースへスムーズにアクセスできるレイアウトで、日々の生活動線が快適です。

学習にもリラックスにも使える小上がり和室
LDKの一角に設けられた小上がり和室は、腰を下ろしたり寝転んだりできるリラックススペース。スタディカウンターや書棚も併設されているため、リビング学習の場としても最適です。畳の下はすべて収納となっており、居住スペースに物が散らかりにくい工夫がされています。

明るく広がる子ども部屋
2階から3階へつながる階段は、蹴込みを省略し、壁の代わりに飾り棚を設けることで視覚的な抜け感をデザイン。階段室の窓から差し込む光がLDKにも届き、空間全体が明るくなる効果もあります。1段目の下はロボット掃除機の基地になるよう開口されています。

洋室は、お子さまの好みに合わせたインテリアコーディネートで仕上げられました。白を基調とした明るい色使いに、淡いピンクのアクセントクロスが遊び心を表現。オープンタイプのクローゼットにすることで、圧迫感を軽減し、広がりを感じられる空間となっています。

狭小住宅でも諦めない!都市型住宅の新しい選択肢
この住宅は、都市部の限られた敷地でも、ビルトインガレージやZEHといった高性能・高機能な住まいが実現できることを示しています。快適さとエコを両立させたい方、そして愛車との暮らしを諦めたくない方にとって、きっと理想の住まいづくりのヒントが見つかるでしょう。
今回ご紹介した住宅は、バーチャルルームツアーでも体験できます。VRヘッドセット(スマートフォン再生)の装着やフリック操作で、住宅の様子を360°パノラマでご体感いただけます。
【狭小住宅ルームツアー】わずか11坪で叶えた、3階建てビルトインガレージ|敷地16坪
都市部での家づくりを検討されている方は、ぜひ一度、この設計実例をご覧になってみてはいかがでしょうか。資料請求や個別相談を通じて、あなたの理想の住まいについて相談してみるのも良いかもしれません。


